基礎について
基礎は、上部にある軸組からの力を地盤に伝える大切な役割を持っています。
基礎には大きく分けて、4つの力が伝わります。
| ・地震時の横ゆれ・縦ゆれ |
… |
地震時に地盤から横・縦に揺られる力。 |
| ・鉛直荷重 |
… |
軸組から伝わってくる建物の自重。 |
| ・水平荷重 |
… |
強風の際に発生する横に建物を押す力。 |
| ・曲げ荷重 |
… |
水平荷重によって発生する回転させようとする力。 |
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基礎はこれら全てに耐えられるように設計されなければなりません。何種類かある住宅の基礎工法の選定の時点で、「○○基礎だから大丈夫」といった安易な判断、言い訳は非常にナンセンスであり、大きな不安と危険性が伴います。
地盤のページでご案内したように、基礎の形は、地盤の状況により当然ながら変わります。また、基礎は上部構造に使用する資材や仕上げ等により、大きな影響を受ける部分であることも認識してください。 |
住宅に使用される基礎工法の種類
住宅に使用される基礎工法は、大別すると2種類しかありません。地耐力に関する告示によると、杭基礎・ベタ基礎・布基礎の3種類があります。しかし、杭基礎とは「地盤補強」の分類に入ると考えます。したがって、告示の分類では誤解が生じる可能性があります。
(表1)
| 布基礎 |
| 地 盤 良 好 |
地 盤 や や 悪 |
地 盤 悪 |
| 対策なし(直接基礎) |
表層改良(直接基礎) |
杭(杭基礎) |
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布基礎の外観的特徴
@ T字を逆にしたような形状。
A ベース部分と立ち上がり部分で構成される。
B マッチ棒をテーブルの上でつなぐイメージで配置する。
C 基本的に柱の建つ部分や耐力壁のある部分に配置される。 |
(表2)
| ベタ基礎 |
| 地 盤 良 好 |
地 盤 や や 悪 |
地 盤 悪 |
| 対策なし |
表層改良 |
杭 |
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ベタ基礎の外観的特徴
@ 全体を上から眺めると箱型である。
A 布基礎でいう立ち上がりと土間(ベタ基礎の場合スラブという)が一体化している。
B 一面にスラブが施工される。
C 立上りが柱の建つ部分や耐力壁のある部分に配置される。 |
(表3)
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布基礎とベタ基礎の相違点
表1〜3に示したように、細かく分けると布基礎3種類+ベタ基礎3種類+その他特殊工法用の基礎の7種類に分類されるものと考えます。これを前提として、一般的に使用される布基礎とベタ基礎の相違点について、当社の見解を表4に示します。
表4では、わかりやすくご案内するため、長所のみを示させていただきます。「布基礎の長所はベタ基礎の短所でもある」という観点からです。では、要点を比較しながら見ていきましょう。これらの特徴は、当社が「布基礎」を採用する理由にもつながります。
(表4)
| 布基礎 |
ベタ基礎 |
(長所)
| @ |
当社の軸組と整合性が高い。
耐力壁部分に対して自在に配置可能。 |
| A |
立ち上がりを梁として考えたとき、剛性が非常に高い。(鉛直剛性) |
| B |
土間と切り離すことで自重を軽減でき、非常に軽い。 |
| C |
コンクリートと鉄筋の使用量が少ない。 |
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(長所)
| @ |
接地面積(地盤と接する基礎の底面積)が大きく、荷重を分散して地盤に伝えることができる。 |
| A |
土間の施工と同時にコンクリートの施工が可能なため、高い防湿性や防蟻性が確保できる。(基礎断熱の場合) |
| B |
布基礎でいう、立ち上がり・ベース・防湿コンクリートの同時施工が可能なため工期が短縮できる。 |
| C |
水平剛性が非常に高い。 |
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当社が布基礎を採用する理由
| @ |
地盤と基礎の関係性 |
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基礎はフーチング(※)を介して地盤に力を伝えます。建物の荷重が同じ場合、当然フーチング面積が大きい方が、その単位面積当たりの地盤に伝わる荷重が小さくなります。この面で優れるのがベタ基礎です。(図1参照)
(※地盤と基礎が接する部分、布基礎の場合はベース、ベタ基礎の場合はスラブと呼ばれています。)
ただし、ここで考えなければならないことが2つあります。
1つ目は、地盤のページでご案内したように、ベタ基礎を使用すると基礎自体の重量が増えてしまいます。自重が大きくなるということは、当然大きな地耐力が必要となります。また、横ゆれの際にも大きな力を持ったゆれが発生してしまうことになり、結局は基礎を強化したつもりが新たな問題を引きおこします。一般的な木造住宅の構造に関する規定は、その部分までの検討を要求していません。よって、この問題が表沙汰になっていないだけなのです。
2つ目は、布基礎・ベタ基礎の双方に言えることですが、表層部分の地耐力が※告示の規定を満たしていても、地層傾斜が大きい地盤の場合、地盤改良または杭の使用を考えなければなりません。適切な地盤改良を行えば問題はありません。しかし、地盤改良では駄目な地盤状況の場合、杭を使用した補強が考えられます。
ここが問題なのです。ベタ基礎の長所を思い出してください。ベタ基礎の長所である「接地面積が大きい」の意味がなくなりましたね。「杭」という「点」で支えることになるので、地盤に接するフーチング面積が大きくてもあまり意味がありません。
それに対し布基礎は、地盤改良や杭の使用といった地盤対策にも整合性がよく、布基礎の配置に合わせて補強すればよいので効率よく各地盤対策が機能します。この点が、当社が布基礎を採用する大きな理由の一つです。
(※告示とは、国土交通省告示1347号です。詳しくは「地盤」をご覧ください。) |
(図1)

以上ことから、建物上部の荷重はベタ基礎の方が分散して地盤に伝えるということがわかります。(基礎重量は対象外)
| A |
鉛直剛性、水平剛性 |
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剛性とは、わかりやすく言うと、変形しづらさ⇒硬さということです。鉛直剛性とは上下に作用する力に対する変形しづらさで、水平剛性とは左右前後に作用する力に対する変形のしづらさをいいます。「布基礎は鉛直剛性が高く、ベタ基礎は水平剛性が高い」と先ほど長所にて示しましたが、裏を返せば「布基礎は水平剛性が低く、ベタ基礎は鉛直剛性が低い」ということになります。
まず、水平剛性について単純にいうと「ベタ基礎が優れ、布基礎が劣る」といえます。ベタ基礎はフーチングが全面を覆い、板状となるので、当然水平力に対してはものすごい力を発揮します。布基礎の場合は、地盤に対して単独でベースがぶつかり合う「点」で接合されているだけですから、当然水平力に対してもろいものとなることが想像できるかと思います。ただし、布基礎の上部はアンカーボルトで緊結された土台や火打ち土台、大引があり、さらに合板を一面に打ち付けた木造の板があります。そして下部には、防湿・防蟻を第一の目的とした、防湿コンクリートがあります。つまり、特別なことはせずとも、これらの部分の組み合わせによって、水平剛性の問題は解決済みなのです。ここではあえて、ベタ基礎の長所として示しましたが、それは布基礎が「水平剛性のもろさ」という問題を解決できることを説明するためです。
鉛直剛性については布基礎が優れています。(ただし、ベタ基礎も知識と対応力があれば問題はありません。)ただ、ひとつ注意しなくてはならない点があります。通常、どのような基礎でも耐力壁や柱のある部分に基礎の立ち上りを設置します。この立ち上がりが、上部構造から伝わる荷重(鉛直荷重)をうけ、その荷重により、基礎全体が折れたり傾いてしまわないように作用しています。しかし、立ち上がりで囲まれた面積があまりに大きいと、そこに掛かる単位面積あたりの荷重の絶対値が大きくなり、一部分に荷重が集中してしまいます。その結果、立ち上がりが折れたり傾いたりしてしまい、建物が壊れてしまいます。
当社ではこのことに配慮して、面積が30u以下になるよう、立ち上がり(当社の場合、布基礎)を設置しています。
以上のことに留意すれば、布基礎・ベタ基礎のどちらでも問題はありません。つまり、「剛性という面ではどちらでもよい」という結論に至ります。 |
| B |
コスト |
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コストの面で比較すると、布基礎は材料が、ベタ基礎は工期が少なく済みます。工期が少なく済むということは、施工費が少なく済むということです。この場合、「どちらのコストが低く済むか?」といったご質問には答えかねます。熟練した職人が施工した場合は、どちらの基礎も一長一短で、ほとんど変わらないのではないでしょうか?
当社の場合は、布基礎の方がコストが低く済みます。理由は、少し安易ですが、当社の職人が布基礎の工法に熟練しているからです。 |
| C |
防湿・防蟻性能 |
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防湿・防蟻性能に関しては、ベタ基礎が圧倒的に優れます。防湿・防蟻性能は住宅にとって、非常に重要な性能であることは言うまでもありません。ただし、布基礎の場合に「その非常に重要な性能の確保」が不可能というわけではありません。
当社の場合、布基礎に対して、防湿シートを敷き込み、その上に防湿コンクリートを施工していきます。その上で、防湿・防蟻性能に伴う床下の換気対策や木材の防腐、防蟻処理が正しく行われていれば問題はありません。
ベタ基礎のように、基礎と防湿・防蟻性能を一体化することにより、建物の重量を大きくすることで、構造に関して不安を残すことにつながるという判断から、当社では重量の増加による構造の不安を解決するために、布基礎を採用しています。 |
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基礎のまとめ
以上を踏まえた上で、当社が布基礎を採用する4つの理由
| @ |
布基礎は、適切かつ効率的な地盤設計との整合性が高い。 |
| A |
住宅の剛性(硬さ)を確保できる。 |
| B |
他工法との間にコストの問題はなく、布基礎工法に熟練している。 |
| C |
住宅の自重を軽減でき、且つ、その他の性能を犠牲にする必要がない。 |
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ただし、これ以外にも留意すべきことはたくさんあります。
その部分について、ポイントを項目にして、5つだけご案内します。
| 1、 |
立ち上りコンクリートの巾は最低でも150mm必要
⇒施工の際、基礎の出隅や人通口等には、補強として、鉄筋を多く使用しなければいけません。この場合、複数の鉄筋が重なりあいますので、コンクリートのかぶり厚さ(鉄筋からコンクリート表面までの余裕)が不足する可能性があります。かぶり厚さは最低でも40mm必要です。これは、強度だけでなく鉄筋コンクリートとして考えた場合の耐久性にも大きく影響します。 |
| 2、 |
耐力壁の下に位置する基礎の補強
⇒耐力壁の下に位置する基礎に対して、構造計算をすると、OUT(強度不足)になる部分が多数発生します。最も大きな力を受ける部分ですから、適切に補強する必要があります。(このケースに関する法律、公的基準はありません) |
| 3、 |
コンクリートの配合
⇒強度やスランプ等に使用するコンクリートの配合は、配合次第では、住宅の耐久性に大きな影響を与えます。(50年スパンで考えた場合) |
| 4、 |
周辺の埋設構造物、設備に気を配る
⇒L型擁壁、合併処理等の建物のすぐ近くに設置され、それを施工するために深度の大きい掘削を伴う場合には注意が必要です。 |
| 5、 |
その他、基本的事項
⇒技術者として、当然のことなのであえて説明しません。ただ、当然のことが出来ていない、知らない方々もいることは心に留めておいてください。 |
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