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当社住宅の工法・性能・保証

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軸組

軸組について

 軸組とは、人に例えると骨であり、風や地震等から住み手を守るものです。また、住宅に関する全ての性能に大きな影響を与える重要な部分です。
 このことを前提として、もう一度、構造を形成する要素について確認しておきます。これまでのページ「地盤」、「基礎」の部分でも述べたように、地盤・基礎・軸組と3つのバランスがとれていなければ、軸組だけを完璧に作り上げても、何の意味もありません。新築当時は耐震性があったとしても、耐久性が確保されていなければ、10年後には新築当時の耐震性が半分しかなくなってしまう可能性も考えられます。(「性能-A 温熱環境に関すること」参照)
 構造という建物の重要な一部分は、人の命に関わるものであり、絶対に妥協できるものではありません。そして、短期的・長期的に考えても、構造に影響する様々な性能を妥協することは出来ないのです。ここでは、「軸組」についてのみ説明しますが、以上のことを常に念頭において読み進めていただくことを強く要望します。

住宅に使用される木構造の工法の種類

 住宅に使用される木構造の工法は、大別すると2種類しかありません。「軸組工法」と「枠組工法」です。よく耳にする、プレファブ工法やユニット工法は、枠組工法の工場生産範囲を拡大させたもので、構造的に見ると枠組工法です。また、枠組工法の中には、最も一般的な「2×4」や、2×4に対して基本モジュールが多少異なる「2×6」などもありますが、基本的に構造方式という大きな枠組みで見た場合、これらの工法は同じ「枠組工法」といえるでしょう。

 表1に住宅の木構造の工法として、当社なりの分類を示します。
 (表1)
軸組工法 ・在来軸組工法
・伝統軸組工法
土台、柱、桁の門型フレームを筋交いにすることで、軸組の剛性を確保したものが基準となる。部材モジュールは3寸5分(105o)のものが基準となる。
在来と伝統の違いは、各接合部分が、金物主体か木の組み込みによるものかである。
枠組工法 ・2×4
・2×6
・その他類するもの
2×4(インチ)の板状の柱と土台、桁による「たて格子型」のフレームに、合板等の面材を全面に打ち付け、剛性を確保したものが基準となる。
 表1に示したように、軸組工法と枠組工法の大きな違いは、下記の2つです。
@基本となる部材の基本モジュールが違うこと
A剛性を確保するために使用する材料が違うこと

 @に関しては、材料の「基準とするサイズ」が違うだけで、「構造」という大きな枠組みで見た場合、基本的な考え方は同じです。また、Aについても「剛性(強さ)を確保するため」という目的で、軸組の場合は「筋交い」、枠組の場合は「合板(面材)」を用いるといった点でも、考え方に大きな違いはないといえるでしょう。
 ただし、ここがポイントです。剛性(強さ)を確保するために用いた材料が「棒状」なのか、「面材」なのかによって、基礎への力の伝わり方に違いが発生してきます。(図1参照)

(図1)

あくまでもイメージであり、力学的な図ではありません。

 (図1)のように、軸組工法の場合、基本的に柱が荷重を受け、それを土台を介して基礎に伝えます。荷重を受けた柱が曲がったり、よじれたりしないように筋交いがあり、柱の位置を安定させるために土台や桁があります。(それだけが目的ではありません。)基本的には、最終的に筋交いの取り付いた柱が基礎へ最も大きな力を伝えます。よって、筋交いの取り付く柱の建つ部分の基礎と地盤に集中的に荷重がかかってしまうということになります。

 枠組み工法の場合、軸組工法でいう柱と呼べるような断面を持った部材はありません。ですから、合板等の板を使い柱を拘束し、板状の壁を作り出しています。この壁を(図1)で見た場合、巾1000mmの板状の壁です。この巾に全体的に荷重がかかりますから、巾1000mmの部分全体に力が分散します。

 以上をまとめると、軸組工法の場合、数十本の柱が、枠組工法の場合、合板でできた連続した板状の壁が、基礎に力を伝えています。
 ここで、少し基礎を思い出してください。基礎の部分で、「軸組工法と布基礎が整合性がよい」と述べています。当社が採用する軸組工法の場合、木構造部分の荷重は柱の下部に集中的にかかります。したがって、基礎の設置に自由性が高く、鉛直剛性に優れる布基礎が適しているのです。逆に、枠組工法の場合は軸組工法に比べて、木構造部分の荷重が分散して伝わります。鉛直剛性に劣っていても荷重分散性に優れるベタ基礎の方が適しているといえるでしょう。
 あと、耐震性に関して頻繁に耳にするのが、「枠組工法の方が地震に強い」という言葉です。当社において、数値を伴った確認を行ったことはありませんが、おそらく正しいと考えられます。根拠として、窓や入口の部分をのぞいた外壁面全体が、構造上において耐震性に対して有効な構造となっているからです。ただし、軸組工法の耐震性が弱いということではありません。建築基準法や性能表示で定められた計算方法に基づいて設計されていますから、必要な強さ(耐震性)はしっかりと確保できます。(当社の場合は、建築基準法上の規定に対して、1.5倍の壁量を確保しています。)

 構造的側面として、最後に1つ、軸組工法は木構造部分にある程度の変形性を持たせることが出来ます。変形性有り⇒地震力を吸収できます。枠組工法は水平荷重に対する強度が強すぎるため、木構造部分の変形性がほとんどありません。つまり、木構造部分で地震力をほとんど吸収せずに基礎⇒地盤まで伝えてしまいます。ですから、そのことに配慮した基礎設計や地盤設計が必要です。(図2参照)
 強い構造=よい地盤設計×よい基礎設計×よい木構造設計です。どれか1つがだめなら、答えは「0」になります。この結果は、本章の冒頭でも述べた「地盤・基礎・軸組と3つのバランスがとれていなければ、軸組だけを完璧に作り上げても、何の意味もありません。」ということにつながります。

(図2)


あくまでもイメージであり力学的な図ではありません。

当社が軸組工法を採用する理由

 ここまでに述べたように、構造的な側面から見ると、やるべきことをきっちりやれば「どっちの工法でもいいんじゃないの?」と思ってしまいます。当社が軸組工法を採用する理由は他にあります。これまで示した「強さ」から、少し離れた視点で見てみましょう。(表2)の比較表をご覧下さい。

(表2)
A軸組工法の長所(=枠組工法の短所) B軸組工法の短所(=枠組工法の長所)
@ 間取りの自由性
A 大きな開口部が可能
B 大きな部屋、吹抜が可能
C 増築、リフォームの自由性
D 確実な内部結露対策が可能
E 国産木材がメイン
@ 熟練した職人が必要(人件費⇒大⇒コスト大)
A 筋交いが断熱施工の邪魔
B 気密の確保が難しい
C 現地作業が多く省力化が難しい
(枠組の場合プレファブ工法等がすでに確立している)
 

では、表2をもとに、当社が軸組工法を採用する理由を説明していきます。

 まずA-@〜Cは、そのままなので、簡単にご理解頂けるかと思います。全てが重要で必要なことですね。この長所・短所は日本の法的基準がもとになっています。軸組工法は日本で、枠組工法は北米で生まれた工法です。つまり、育まれてきた環境により規定や基準が違い、その結果、それぞれの地域の環境に適した工法となっていることがわかります。

 そしてA-Dについて、これは専門的なポイントです。内部結露対策は耐久性から耐震性へと波及していく、非常に重要なポイントです。「内部結露(「性能-A 温熱環境に関すること」参照)と木構造の工法にどんな関係あるの?」と思われる方も多いはずです。実際には、この2つに大きな関係があります。結露の原因となる「湿気」はどこから発生してくるのでしょう?人や料理、洗濯物などの日常生活からはもちろん、木材(無垢の木は半永久的に吸放湿を繰り返します)や外気と内気の温度差、最悪は内気と内気の温度差による目に見えない結露等、湿気の要因となるものはたくさんあります。
 しかし、この湿気の発生を「0」にすることは不可能です。これらの湿気が外壁面の内部(断熱層)に入り込んだり、またそこで発生したりすると内部結露を起こす可能性が高まります。結露の発生は、まず断熱材の性能を格段に低下させます。そして、断熱性能の低下によって、温度差の大きな空気が、より外壁面の内部に触れ合いやすくなります。そして、さらにひどい内部結露が発生します。最終的には、「木材が腐食し、それがカビ・ダニを呼び、さらに、腐った木材を食べるシロアリを呼んでしまう」といった恐ろしい悪循環につながります。これを防ぐには、確実な内部結露対策が可能な軸組工法が適しています。(図3参照)

(図3) (図4)



 軸組工法で内部結露対策を行なう場合、外壁側の通気層と内壁側の気密シートの位置関係が非常に重要となります。(図4参照)
 では、「枠組工法の場合は?」

 枠組工法の場合、その基本である外壁側に貼った合板が内部結露対策において命取りになります。通常、この合板が気密層になるため、内側には改めて気密シートを貼りません。この場合、室内で発生した湿気はどんどん壁の内部に入り込みますが、合板は湿気を通しずらいため迅速には排出できません。この仕組みにより、建物内に内部結露の悪循環が発生する可能性が格段に高まります。かといって、室内側を気密シートで防湿すると、木材から発生した水分や将来的な雨漏りによる水分が拘束されて排出されづらくなります。ですから、外壁側の合板は、普通の構造用合板やOSB合板のように、透湿抵抗が高い材料は絶対に使用すべきではありません。(こういった問題を考慮した商品はあります。)

 どのような内部結露対策を行なっても、1年の中で最も気象条件の悪い数週間は、内部結露が発生してしまうことを覚悟しなければいけません。しかし、問題は、その発生した結露を後々まで影響させないようなリスク管理が確立できているかどうかです。当社では、そのリスク管理を形として確立し、軸組工法を実践しています。

 次に、A-Eについてです。製材品について考えたとき、軸組工法用の材料は、ほぼすべて国産材でまかなうことが可能です。国産材を使った軸組工法は、製材の安定的な確保・価格・品質の安定性、そして日本という気候への木材の順応性、さらには環境負荷などを考慮した場合、最適な工法といえるでしょう。

 最後に、B-@〜Cについてです。これらは全て施工に関することです。まず、B-@について、軸組工法は熟練した職人でなければ、絶対に造ることができません。熟練した職人の育成は非常に時間を要します。当社には、何十年と軸組工法を実践してきた自社の職人がいます。様々な情報・技術を共有し、細部まで意思の疎通が取れる職人がいます。この職人たちは、B-AやB-Bに対して丁寧に、そして容易にこなす技量と知識を兼ね備えています。そして、B-Cについて、当社の長年積み上げてきたノウハウは、これ以上ない程の作業の省力化につながっています。この自社の職人や蓄積されたノウハウが、当社が軸組工法を採用している最も大きな理由といえるでしょう。

 余談ですが、「軸組工法に合板を貼って、耐震住宅にする」といった宣伝をよく耳にします。その上、グラスウールの充填工法・・・。当社として考えられる、このやりかたのメリットはただ1つ、「筋交いがない分、断熱材の施工が容易」。あとは、何もないのではないでしょうか?軸組工法の意味を失った耐震性能をセールスポイントにしただけの恐ろしい住宅です。


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