

施主が存在しないという状況の中で、当社初の展示場企画はわたしの好きなように設計できる初めての楽しい仕事となるはずだった。
この建物は「楽しみ」から「生みの苦しみ」、「納得してもらえる相手(施主)のいない苦しみ」へと変わっていった。 設計業務が完了したあとの「形が出来上がっていく楽しみ」へと変わるまでの私の「迷い」というものは非常に大きなストレスとなった。
しかし、そのおかげといってはなんだが、構造や断熱、または維持管理から耐久性等の性能面に加え、プラン上での動線の検討やエレベーション、本当に必要と思われる部屋の大きさ、水廻りの使いやすさ、日照、通風、内装等の意匠やあらゆる建築計画、そしてなんといっても環境負荷、ランニングコストの非常に低い、様々な角度から検討しつくされた作品となったと自負している。
この建物は、今現在のわたしの建築士としてのレベルをあらわすものであり、自分を表現させてもらう為に利用させていただいたといっても過言ではない。家を建てようと考えている全ての方々には、是非一度目にしていただきたい。
目にした方々にとって何かひとつでもサプライズがあれば、あとはボロクソにいわれてもわたしはかまわない。
(想定対象家族:30代後半の夫婦+小学校入学前の子供2人)
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