お家の学び舎

― 3時間目 ―
丈夫な家の見分け方

1. 構造計算について

構造計算とは大きな地震などによって建物が倒壊しないように建物の構造安全性を科学的に検証し確認するための計算のことです。もちろんすぐ倒壊してしまいそうな家に住みたい方はいないはずなので、すべて構造計算をした建物で安全に安心して暮らしてもらいたいものです。しかし木造2階建て以下の住宅のほとんどは構造計算をしなくても良いことになっています。それは構造の安全性のチェックをしなくて良いということではなく、資格を持った建築士が設計して入れば、確認申請時に必要な構造計算書などが省略できるということです。しかしお客様のことを思うなら構造計算をした方がいいでしょう。構造計算はお金と手間がかかりますが、お客様が安全に安心して暮らすために、しっかり構造計算を行っているかを確認してみましょう。

2. 耐震等級について

一番大切なのは家族の命を守る事ではないでしょうか。建物がどの程度地震に耐えられるかを示す等級に耐震等級があります。1から3の3つの段階が設けられていて、3が最高等級になります。耐震等級3となると、消防署や病院など、災害時の救助活動拠点となる建物と同等の強さです。一般的に等級が上がるほど柱や梁が太くなり、窓などの開口部が小さくなる制約が出やすくなり、お客様の要望に応えるのが大変になることでしょう。しかし地震で倒壊してしまう家では元も子もありません。大きな地震でも耐えられる安全な家かどうか、耐震等級はいくつですかと聞いてみるのもいいでしょう。

3. 一番大事な人間力

日本の住宅のほとんどは木造住宅です。木が私たちの生活に寄り添い、馴染んでいる証拠でしょう。現在では現場での施工する前に工場などで原材料を切断したり接合部の加工を施しておくプレカットが主流になっています。そのおかげで、木の特性を知り、木の良さを活かせる職人さんが減ったように感じます。木造で正しい施工をしようと思えば、こうした職人さんたちの技術が不可欠です。木の扱いに精通した大工さんが在籍していて、若い大工さんもその技術を引き継いでいるかを確かめてみてください。

そして職人の腕よりももっと大切なのが、木への愛情と人を思いやる気持ちです。40年、50年と生きてきた木を、家の材として再び生かしたいと思う心。また大きい金額を払って家族のための家を建てるお施主さんに報いたいと思う気持ちが大事です。これを確かめるにはなかなか大変でしょうが、機会があれば建築現場に出向いて、大工さんとお話しして熱意を確かめるのもいいでしょう。